臨床医からの質問に答える
赤沈検査の検体はどのくらい保存できますか?
狩谷 敦子
1
,
三宅 一徳
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院臨床検査医学科
pp.784-787
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206906
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はじめに
赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate:ESR)(以下,赤沈)は,炎症性疾患のスクリーニング検査としてはすでにその意義を終えている1)が,慢性炎症性疾患の重篤度判定や治療効果評価には現在でも有用な検査である2).特に膠原病などのリウマチ性疾患では病態の評価,活動性の指標として臨床的意義は大きい.
赤沈検査は手技こそ単純であるものの,そのメカニズムは複雑であり,さまざまな要因によって測定値が大きく変動する.特に検体保存の影響は大きいため,注意が必要である.
本稿では検体の保存による変化とその原因について解説する.
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