増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
炎症マーカー
赤沈
入交 昭一郎
1
1川崎市立川崎病院内科
pp.34-35
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909744
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検査の目的・意義
赤沈は赤血球沈降速度(erythrocyte sedimentation rate:ESR)の略で,CRPなどの急性相反応物質と同様に急性・慢性の炎症,腫瘍などによる組織破壊,あるいは血漿蛋白の異常を反映する非特異反応である.したがって,赤沈の亢進・遅延はこれらの病態の存在とその経過を知るうえに有用な指標となる.
赤沈の本態は,今日なお不明な点があるが,赤血球の凝集(連銭形成)を促進する因子が重要視され,凝集が早く,大きいほど赤沈は亢進する.赤血球膜は陰性荷電であるので,陽性荷電のグロブリン,フィブリノゲンの増加は血球凝集を促進する.
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