技術講座 血液
赤沈
大竹 順子
1
1順大病院中検
pp.62-63
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200488
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赤血球沈降速度測定または短く赤沈,場所によっては血沈と呼んでいる検査のことで,どんな小さな診療所でも行われている.また大病院の設備の整った中検でも必ず行われている最も普及している臨床検査のひとつである.初めは血液に抗凝固剤を加えて赤沈棒に吸いあげ垂直に立てておくだけで,血漿層と赤血球層の境界目盛りの数値が疾患によって異なることを経験的に知って,実際に応用したものである.赤沈の理論的解析が試みられているが,一見きわめて単純な現象の内部には複雑な諸要因が存在し,相互に影響を及ぼしあっていることが明らかにされた.非特異的な反応であるが,ある種の疾患の軽重を見分け,疾患の存在を推測するのに役だつことから大いに利用されている検査である.
そして技術的には簡単なため,検査の頻度も多く検査の実習,技師になりたてのような時期,つまり初心者が受け持つことが多い.以下方法別に術式と注意点を述べることにする.検査方法には次の2種類がある.
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