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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
1章 急性白血病
15 カップ様の核形態異常を有する急性骨髄性白血病(AML-cuplike)
Acute myeloid leukemia-cuplike(AML-cuplike)
常名 政弘
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.892-893
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206153
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カップ様の核陥凹が核直径の25%以上を占める核異常を持つ芽球はcuplike芽球といわれ,それが芽球中の10%以上に認められたAML(acute myeloid leukemia)をcuplike AMLという.2004年にKussickらにより提唱された疾患概念である10).免疫学的にはCD34陰性,HLA-DR(human leukocyte antigen-DR)陰性,染色体は正常核型でFLT3-ITD(Fms-like tyrosine kinase 3-internal tandem duplication)やNPM1遺伝子変異を高率に認める.末梢血液は白血球の増加を示し,MPO(myeloperoxidase)強陽性の芽球が多数で骨髄ではAML-M1の像となることが多く,予後不良である.芽球の核陥凹の原因には,ミトコンドリアの集簇,巨大な迷路状粗面小胞体の存在,中間フィラメントの過剰な増量や束状形成によるもの,核の一部が分離することによるなど様々な報告がある.
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