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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
1章 急性白血病
8 急性単芽性白血病と急性単球性白血病(AML-M5a,b)
Acute monoblastic and myelomonocytic leukemia(AML-M5a, b)
田邉 久美子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.868-871
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206146
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AML-M5(acute myeloid leukemia-M5)は骨髄で幼若な単球系細胞(単芽球・前単球)が有核細胞の80%以上を占める白血病である.単球系細胞のうち,単芽球の割合が80%以上の場合はAML-M5a,それ以外はAML-M5bと診断される1〜3).特殊染色ではミエロペルオキシダーゼ(myeloperoxidase:MPO)染色が陰性になることが多い.顆粒球系細胞は20%以下である.AML-M5aはAMLの約10%を占め,やや若年層に多い.AML-M5bは約5%を占め,発症年齢の中央値は50歳である.
他のAMLと同様,易感染性,貧血,出血傾向を呈する.特に出血傾向は強く,APL(acute promyelocytic leukemia)に次いでDIC(disseminated intravascular coagulation)を合併しやすい.組織浸潤傾向が強く,歯肉や皮膚,中枢神経などへの髄外浸潤,腫瘤形成を認めることが多い.単球系細胞に含まれるリゾチームが細胞崩壊のため流出し,血中・尿中のリゾチーム値が高値となる.
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