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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
1章 急性白血病
7 inv(16)(p13.1q22)またはt(16;16)(p13.1;q22);CBFB-MYH11を伴う急性骨髄性白血病
Acute myeloid leukemia with inv(16)(p13.1q22) or t(16;16)(p13.1;q22); CBFB-MYH11
寺島 道子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.866-867
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206145
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WHO(World Health Organization)分類第4版では,特定の遺伝子異常を有するAML(acute myeloid leukemia)が疾患単位として分類されており2),inv(16)やt(16;16)も独立した疾患単位として分類されている.inv(16)(p13.1q22) or t(16;16)(p13.1;q22);CBFB-MYH11を伴う急AMLはFAB(French-American-British)分類のM4Eoであり,顆粒球系細胞と単球系細胞の増加に加えて,異常好酸球が骨髄中に増加する病型である.
染色体検査でinv(16)(p13.1q22)またはt(16;16)(p13.1;q22),あるいはCBFB-MYH11融合遺伝子がFISH(fluorescence in situ hybridization)やRT-PCR(reverse transcription-polymerase chain reaction)で検出されれば本症と診断される.骨髄の芽球比率が20%未満の場合でも,これらの遺伝子異常が認められればAMLと診断される.
inv(16)を伴うAMLは一般に化学療法に対して高い完解率を示し,予後良好な病型とされている.大量シタラビン療法による地固め療法により長期の無病生存が得られている4).しかし,髄外腫瘤を形成しやすく,中枢神経浸潤で再発することが多いため,予防が重要である.
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