トピックス
高IgE症候群
松村 千恵子
1
1国立療養所千葉東病院小児科
pp.1016-1017
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205632
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高IgE症候群は,①慢性湿疹,②Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌;黄ブ菌)を中心とした細菌による反復感染,③高IgE血症,④種々の程度の好中球遊走能低下,を特徴としている.1966年Davisら1)が,黄ブ菌による感染を反復し慢性湿疹のある赤毛の女児2例をJob's syndromeと名づけて発表して以来,報告が相次いでいる.
発症年齢は1歳未満が3分の2以上を占め,特に,生後3か月以内が多い.男女差はない.大きな鼻,幅広い鼻根部,長い顎から成る粗野な顔貌を示すものが多く,また慢性感染によると思われる発育不全を示す症例もある.Buckleyら2)は,自験例20例中7例に家族内発症があったとしており,不完全表現型の常染色体劣性遺伝を想定している.
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