Japanese
English
原著
高IgE症候群の1例
A Case of Hyper IgE Syndrome
杉田 泰之
1
,
池澤 善郎
1
Yasuyuki SUGITA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
pp.687-692
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203731
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8歳,男児.生後3日頃より全身に瘙痒性皮疹が出没.昭和58年12月13日,胸部腫瘤にて当院小児科へ入院.全身の痂皮を伴う紅色丘疹と膿疱のため同月17日当科を受診.手術により胸部腫瘤は黄色ブドウ球菌(黄色ブ菌)性のcold abscessと判明し,その後も同部位にcold abscessが再発した.ほかに膿痂疹や中耳炎および肺炎をしばしば併発し,どれからも同様に黄色ブ菌が分離され,また鷲口瘡や指のカンジダ性爪炎と爪郭炎および体幹四肢の皮膚カンジダ症が増悪と軽快を繰り返した.検査所見では好酸球5〜9%,血清IgE9,800〜17,700IU/ml,RAST検査でダニ,ハウスダスト陰性,卵白,カンジダはscore2と陽性を示した.以上の所見より本症例を高IgE症候群と診断し,若干の文献的考察を加えた.
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