Japanese
English
症例報告
高IgE症候群の成人例
An Adult Case of Hyper-IgE Syndrome
石井 清英
1
,
山田 裕道
1
,
鈴木 光子
2
,
高森 建二
3
,
小川 秀興
3
Kiyohide ISHII
1
,
Hiromichi YAMADA
1
,
Mitsuko SUZUKI
2
,
Kenji TAKAMORI
3
,
Hideoki OGAWA
3
1国際親善総合病院皮膚科
2国際親善総合病院呼吸器内科
3順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, International Goodwill Hospital
2Pulmonary Division, Department of Internal Medicine, International Goodwill Hospital
3Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
高IgE症候群
,
カンジダ症
,
好中球走化能低下
,
顆粒球由来エラスターゼ
Keyword:
高IgE症候群
,
カンジダ症
,
好中球走化能低下
,
顆粒球由来エラスターゼ
pp.1203-1207
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901074
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高IgE症候群の成人例(32歳男性)の皮膚症状を中心に報告した.本例は21年にわたり小児科医によってfollow upされていたが,繰り返す慢性気道感染症による呼吸不全のため,当院に入院し気道感染対策を主とする治療を行った症例である.皮膚症状としては,爪カンジダ症,舌カンジダ症,足白癬などの真菌症,呼吸不全に続発したばち状指,弾力性に富む皮膚の過伸展が認められた.慢性湿疹様の皮疹および黄色ブドウ球菌の皮膚感染症は成人後は著明に減少したという.免疫学的には血清IgE高値(4988IU/ml),IgE RASTスコアはカンジダ,アスペルギルスなどの真菌で高値を示した.好中球機能検査においては,患者好中球の走化能の低下,患者血清中の好中球走化能抑制因子の存在が示され,本症の病態との関連が示唆された.その他血中ヒスタミン濃度の上昇,顆粒球由来エラスターゼの上昇などが認められた.
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