Japanese
English
臨床経験
高IgE症候群に関節炎を合併した1例
A Case of Hyper-IgE Syndrome with Arthritis
上野 貢生
1
,
宗円 聡
1
,
永田 行男
1
,
橋本 重夫
2
,
田中 清介
1
Mitsuo Ueno
1
1近畿大学医学部整形外科学教室
2近畿大学医学部第2病理学教室
1Department of Orthopaedics Surgery. Kinki University School of Medicine
キーワード:
高IgE症候群
,
hyper-IgE syndrome
,
関節炎
,
arthritis
,
リンパ節炎
,
lymphadenitis
Keyword:
高IgE症候群
,
hyper-IgE syndrome
,
関節炎
,
arthritis
,
リンパ節炎
,
lymphadenitis
pp.847-850
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901160
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:我々はかなり稀な高IgE症候群に関節炎を合併した1例を経験したので報告する.症例は29歳の女性で,生後間もなくからアトピー様皮膚炎が認められていた.1991(平成3)年4月頃から誘因なく右膝関節の腫脹と歩行時痛が生じ,6月頃から右鼠径部リンパ節腫脹が出現した.高IgE血症,反復性感染症の既往があることから,高IgE症候群の診断にてリンパ節生検・右膝関節鏡および滑膜切除術を施行した.右鼠径部リンパ節の病理組織では髄索へのプラズマ細胞の浸潤が認められた.膝関節では滑膜の増生が著明で,病理組織で血管拡張とプラズマ細胞の浸潤がみられ,抗lgG抗体による染色性が認められた.我々の渉猟した限りでは高IgE症候群に関節炎を合併した例は報告されていないが,何らかの免疫学的機序によって関節炎が惹起されたものと考えられた.術後8カ月現在,症状は軽快している.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.