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1H-NMR尿分析による先天代謝異常症のスクリーニング
山本 英明
1
1埼玉県立小児医療センター放射線部
pp.1493-1494
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205536
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核磁気共鳴(NMR)は1945年に発見された物理現象である.1950年には化合物の化学結合の形態によってNMR共鳴周波数にわずかの差異(化学シフト)が発見され,以後,化合物の構造分析への新しい道を開いた.さらに,コンピューターの導入,装置の改良によって,高精度化が図られ,迅速な臨床検査の手段としての試みもなされている.
血液,尿などの体液は,生体の病態に関する種々の情報をもたらす.NMRは,これら試料の分析手段として原理的に非破壊であり,かつ抽出などの前処理を必要とせず,種々の成分を同時分析することができる.特に1H核は,天然にほぼ100%存在し,磁気モーメントが大きく,信号の検出感度がもっとも高いことから,目的のスペクトルを短時間のうちに得ることができ,生体試料の分析に適している.
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