論壇
先天性代謝異常症のスクリーニングについて
高井 俊夫
1
1阪市立大・甲子園大
pp.1101-1103
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906964
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近年の臨床検査法の進歩は驚くばかりであるが,臨床的に非常に重要な領域でありながら,その検査法ないしはスクリーニング法の確立していないものがある.その1つが先天性代謝異常の検査法である.
近年,多くの代謝異常症について,もし早期に発見されれば,治療対策が可能であるとの報告が続々なされている.不幸にして発見が遅れれば,多くは重症の精薄として暗い一生涯を送ることとなり,これに反して早期発見によって早期治療ができれば,正常な人に伍して劣らぬ生活も可能なのである.正しい検査,それもなるべく乳幼児期における検査によって,かくも明暗を異にする運命をたどる疾患も少ないのでなかろうか.
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