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NMRスペクトロメトリーによる尿分析
山口 修一
1
1埼玉県立小児医療センター
pp.1232
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204307
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遺伝性疾患にはおよそ3000前後の種類が知られているが,その数は診断技術の進歩によりさらに増加すると思われる.その中には,早期発見・治療により精神遅滞等の重篤な後遺症の発生を未然に防ぐことのできる先天性代謝異常症も含まれている.
先天代謝異常症はおよそ300種類がこれまでに報告されており,早期発見・治療可能なアミノ酸・有機酸代謝異常症はその初期症状が特異的でないことも多く,早期診断が困難である.特に新生児・乳児期では臨床症状が乏しく,ミルクの飲みが悪い,元気がない,泣き声が弱い,嘔吐,発育・発達が悪い,などであり,さらに進行すれば痙攣,意識障害などの重篤な症状になる.このような時点で診断するのは困難であり,行政レベルで行われている代謝異常マススクリーニングだけでは,必ずしも十分とはいえない.
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