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私達の学校は,"緑と水の街"をキャッチフレーズにする,前橋市の官庁街より北へ少し外れた所にあります.全館5階建てで,屋上からは雄々とそびえる上毛三山や,脈々と流れる利根川を一望することが出来,都心の学生には想像もつかないほど風光明媚な学校です.昭和44年に,衛生検査技師の県内充足を目途として,群馬県医師会の諸先生方の手で,勤労者を対象とした定時制学校として開校され,以来今日まで,定時制の臨床検査技師養成学校として,12年の歴史を歩んで来ました.
私たちは,"昼間は,県内の医療機関で働く"と言う条件で受験が許され入学とともに,昼間はパラメディカルスタッフで,夜間は学生としての日々が始まります."昼間働き,夜学ぶ"と言うことは,想像以上に大変なことですが,職業と学校とが直接結びついているため,学校で学んだことがすぐ職場で役立ったり,職場で出くわした問題や疑問が,講義中に解決されるなどの利点もあります.また,休憩時間中には,職場での出来事や検査法について,口々に討論が行われるなどの光景がみられ,学生である前にパラメディカルスタッフであることの意識が強いことを示していると思います.しかし,私たち学生の熱意はともあれ,現在この種の養成学校は,定時制のみとして存在するのは少なく,医学の急速な進歩に伴って知識の高度化が叫ばれる中で,十分な講義や実習が行えるのであろうか……と,疑問を持たれるのではないかと思いますが,我が校独自の方法で,十分な教育を得ています,実習のあり方に特長があり,校内実習のほかに,2〜3人のグループで各施設での実習も行われ,日ごろ職場では体験できないことを体験し,学校で学んだことの理解を深めるのにたいへん役立っています.また年に十数回行われる僻地診療にも積極的に参加し,ここでも患者・医師をはじめ医療従事者と直接接することにより,パラメディカルスタッフとしての意識の高揚が計られています.
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