群馬県／香川県

　県の行政

　群馬県は，緑と温泉に囲まれ，リハビリテーションの面から見ると，自然環境に恵まれていると言えるが，その行政面や技術面には，もう一歩と言わざるを得ない．唯一の大学病院である群馬大学付属病院に，リハビリテーション施設がない事や，県内から学んでいるPT，OT学生は多いが，中央都市に集中してしまい，郷土へ帰って来る者が少ないなどがあげられる．奨学資金貸与制度については，昭和48年4月より実施されており，現在までに13名に貸与し，すでに資格取得者が7名を数えるが，県内に就職したのは，わずか1名である．その他はほとんど東京や神奈川へ集中している．制度の条件として，県立の施設（2カ所のみ）へ行かなければならない事や労働条件の悪さや学習研究の機会が少ないなどが考えられる．

　また，県では，在宅重度身体障害者に対するリハビリテーションサービスとして，PT，OTによる訪問指導を積極的に実施している．このように，リハビリテーションに対する関心は高いが，具体的な対策は，充分とはいえない現状である．