検査を築いた人びと
臨床検査法の基礎を築いた人 パウル・エールリッヒ
酒井 シヅ
1
1順天堂大学医史学
pp.433
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205326
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診断に化学検査を用いるようになったのは前世紀の後半であるが,その先駆者として名を挙げねばならぬのがパウル・エールリッヒである.
しかしエールリッヒは梅毒の特効薬サルバルサンの発見者として,また免疫学の基礎的研究を行い,側鎖説を立てた人として余りにも有名である.そのため臨床検査法の開拓者として,あるいは白血球の核染色法を始めた人としての業績は,前者に比べて影が薄い.だが,現代の血液病学ではいまも彼の白血球核分類法が土台になっており,臨床検査の分野でもエールリッヒの創始したいくつかの方法が役に立っている.
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