ワンポイントアドバイス
異常値が出たとき・4—血液ガス
伏見 了
1
1阪大病院中検
pp.1565
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205268
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pH,Paco2およびPao2で示される血液ガス分析は呼吸という生命の基本的な生理と関係したものであり,その測定値は患者の処置,治療と密接に結びついており,分析時にミスは許されない.
血液ガス分析における「異常値」の解釈はその時点での患者の状態と深く関係しており,やや困難な面もあるが解説する.
血液ガス分析における「異常値」とは測定値の絶対値そのものではなく,測定値が患者の状態と離反している場合が「異常値」である.室内空気(酸素濃度は760mmHg×1/5≒150mmHg)を自発呼吸している患者動脈血のPao2が150mmHg以上を示す場合は明らかな異常値である.逆に心または肺に病変を有する人では,この場合のPao2が50mmHgでも異常値ではない.
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