コーヒーブレイク
魅力ある職場への脱皮
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pp.1573
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205271
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若人の職業選択が変化してきている今日、特に理工系の出身者の多くがサービス産業へいくため、技術分野は人集めが困難になっているということです。例えば生物工学出身者が、銀行のディーリングルームに入り、新人でも一日三千万円までの売買をしているとかで、当人は毎日大変なスリルと興奮をもって充実しているということでした。このような現象を憂える人もおりますが、科学的なセンスを活かしていけるのであれば結構なことだとする見方も出ています。しかし、これは若人から見ての仕事の魅力があるからこそいえるのでしょう。
それでは、医療分野はどうでしょうか。看護婦はいくら養成しても足りません。検査技師も病院からその技術が活かせる企業に流れていく傾向にあります。有能な医療従事者の確保のためには魅力ある職場が第一です。確かに表面だけをとれば、病院は忙しい、休みがとれない、汚い、あるいは危険な試料を扱う、社会的責任は重い、給料は高くない、などさまざまな点があります。これには表面を変えることも必要ですが、中味をよくすることがさらに重要でしょう。医療もサービス業としての本格的な環境作りの時代に入り、検査室も魅力ある職場への態勢作りが急務です。時代の変化、世の中の要求に即応したものを用意していくことが大切でしょう。
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