ワンポイントアドバイス
異常値が出たとき[2]—カリウム(2)
伏見 了
1
1阪大病院中検
pp.1409
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205213
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臨床側のミスによりカリウムが異常高値を示す以下の場合.
1)各種輸液の混入.2)血球算定用採血管などに分注した血液の混入.3)血液試料を冷蔵庫に保存した場合.今回は2),3)に関し説明する(1)は9月号を参照).各種検査にはそれぞれ専用の採血管(血糖測定用には解糖阻止剤の添加,アンモニア測定用にはヘパリン,血球算定用にはEDTA-2K,3Kなど)が必要であり,一人の患者について一般的なひと通りの検査をする場合,5〜6本の内容の異なる採血管が必要である.医師または看護婦が検査依頼を確認しながらそれぞれの採血管に血液を分注するが,検査に必要な採血量の混乱から,一度分注した採血管から他の採血管に血液を移す場合がある.EDTA-2K,3K入りの採血管に分注した血液を他の採血管に移し,その血液試料にてカリウムを測定した場合,カリウムが異常高値となるのは当然である.この場合のチェック法としては,カリウムの再検査だけでなくグルコース,総蛋白質,カルシウムを測定することである(9月号参照).グルコース,総蛋白質濃度が生理的範囲内であるのに対し,カルシウム測定値が測定感度以下または下限であればEDTA塩の混入と決めて間違いはない.この場合も前回同様,主治医に対し注意を促すことは当然である.
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