検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
レクチン—その組織化学への応用
渡辺 信
1
1神戸大学医療技術短期大学部
pp.215-218
発行日 1984年3月1日
Published Date 1984/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202985
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従来から,組織中の糖成分は,PAS,アルシアンブルー,ムチカルミンなどの染色法を用いてその性格の同定が行われていたが,それは,糖成分全体の酸性,中性などの全体的な性格を利用したものであった.
近年,植物,特にマメに多く含まれるレクチンが,糖成分の中でも,ガラクトース,N-アセチル-ガラクトサミン,フコースといった糖残基と特異的に結合することが明らかとなり,従来の酸性多糖類,中性多糖類といった同定から一歩進んで,多糖類,さらには糖蛋白質などの複合糖質の中に含まれる特定の糖残基が,分子レベルで同定できるようになってきた.
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