形態学的検査と技術 血液と病理
病理
[3]造血・リンパ組織の検査法
[A]パラフィン標本での特殊染色
青木 潤
1
,
小浦 康則
1
,
山本 津由子
1
,
前田 雄司
1
,
佐々木 なおみ
1
,
難波 紘二
2
1呉共済病院臨床病理科
2広島大学総合科学部
pp.545-550
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203696
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はじめに
骨髄,リンパ節の組織検査は病理検査の中でもかなり特殊で,一般に敬遠される傾向がある.しかし検体の扱いに一定の注意を守り,適切な特殊染色の組み合わせを選択すると,ほとんどの場合正しい診断を下すことができる.また,骨髄穿刺,骨髄生検,リンパ節生検ともに患者に苦痛を与える検査であるから,検体を正しく採取し正しい取り扱いを行うことにより,その後の特殊染色などの検査の可能性は大きく広がり,不必要な再検や診断の遅延を最小限にとどめられる.
本稿では,主としてパラフィン切片を用いた骨髄,リンパ節の特殊染色について述べるが,利用できる特殊染色の種類は検体をどう処理するかによって大きく制限されるので,まずこれらについて簡単に述べる.
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