カラーグラフ
パラフィン切片による脂肪染色の試み
諏訪 幸次
1
,
須山 貞子
1
,
長嶋 和郎
1
1東大病院病理部
pp.126-127
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909266
- 有料閲覧
- 文献概要
組織の脂肪染色は凍結切片にて染色するのが常識となっている.理由は,パラフィン標本作製過程で使用する有機溶媒で脂肪が溶解,消失してしまうためである.しかし脂肪染色がパラフィン切片で可能となれば,技術的な面ばかりでなく,研究や組織診断の方面で極めて有益な手段となることはいうまでもない.類脂質安定固定剤である重クロム酸カリと四酸化オスミウムとの混合液で再固定を行うことにより脂肪の溶解を阻止し,パラフィン切片での脂肪染色が可能となることを経験したのでここに紹介する.
注図2以外はすべての厚さ6μmのパラフィン切片,脂肪染色漂本である.カラー写真はKodak PCFのフィルムを使用し,Photomax(ナリンパス製)で撮影した.現像は医学写真研究所に依頼した.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.