ミニ情報
凍結切片・パラフィン切片の特殊性
前田 邦彦
1
,
鈴木 一志
1
,
松田 幹夫
2
1山形大学医学部第1病理
2山形大学医学部第2病理
pp.46
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902663
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凍結切片は本来迅速病理診断に用いられてきたが,抗原性が良好に保存されることから,免疫組織化学に広く応用されてきた.新鮮凍結法による凍結切片では通常のホルマリン固定パラフィン包埋切片に比較すると細胞形態や組織構築の保持に不十分な点があるが,PLP固定やparaformaldehyde固定などの特殊固定後の凍結切片では,形態の保持も改善され,免疫電顕のpreembedding法の主要な方法ともなっている.
他方,パラフィン切片においても,近年,ホルマリン固定やその後の脱水・包埋過程に抵抗性の抗原エピトープを認識する新しいモノクローナル抗体の開発や,いわゆる抗原性の賦活化unmasking (トリプシンなどの蛋白分解酵素による消化,マイクロ・ウエーブ照射やオート・クレープによる加熱,塩酸やギ酸による酸性処理,DNaseによる核酸の消化,界面活性剤による処理など)1),染色感度の増強などの染色技術の改良によって,免疫染色の応用が著しく広がっている.
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