資料
新しいラテックス近赤外比濁法(LPIA system)によるα1胎児蛋白測定の検討
河合 忠
1
,
向島 達
2
,
山岸 安子
1
,
富田 啓子
2
,
湯田 美江子
1
1自治医科大学臨床病理部
2国立がんセンター臨床検査部
pp.923-927
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911316
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はじめに
抗原(または抗体)を感作したポリスチレンラテックス粒子と対応する抗体(または抗原)溶液とをスライド上で混合し,凝集の有無を判定するラテックス受身凝集反応は,Singerら1)によってリウマチ因子の検出に応用されてから,数多くの日常臨床検査に広く応用されている2).これらの方法は簡便・迅速に実施しうるが,定性反応であり,定量的目的には倍数希釈した検体について最終凝集価を求める方法によらざるを得ず,それでも半定量検査の域を出なかった.しかるに,沢井ら3)は近赤外光による比濁法によりラテックス凝集反応を定量的に観察しうることを見いだした.この原理を応用したラテックス近赤外比濁法(latex photometric immuno assay;LPIA)の装置が三菱化成工業によって,世界に先がけて開発された.
今回,我々はこのLPIAシステムを用いたα1胎児蛋白(AFP)測定法について検討する機会を得,満足すべき成績を得たので,その成績について報告する.
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