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ラテックス近赤外比濁法(LPIAシステム)によるβ2-ミクログロブリン定量法の検討
長谷川 敬彦
1
,
菅原 悦子
1
,
江口 麻美
2
,
柳 博子
2
1中部労災病院健康診断センター研究指導部
2愛知聖霊病院検査部
pp.1184-1187
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912003
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はじめに
Berggård1)によって単離されたβ2-ミクログロブリン(β2-m)は,その後リンパ球表面の組織適合性抗原の基本的構造を持つことが明らかにされ,免疫化学的分野にとどまらず,細胞性免疫や臨床においても注目されてきた2).一方,わが国ではカドミウム曝露の生物学的指標として尿中β2-mの測定が行われてきた.最近ではカドミウム曝露のみならず,間質性腎疾患などの尿細管障害,骨髄腫などの疾患における重要な指標としても認識されつつある3,4).
従来β2-mの定量法としては免疫拡散法,逆受身赤血球凝集法,ラジオイムノアッセイ(RIA)法,尿試料についてはアフィニティークロマトグラフィー法5)などが用いられているが,免疫拡散法は感度が低く,逆受身赤血球凝集法は半定量的であり,RIA法は特別な施設を必要とする,などの欠点がある.
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