けんさアラカルト
ラテックス免疫比濁法によるエラスターゼ1
祖父江 晋
1
,
佐藤 悦子
2
,
針田 達行
1
1株式会社三菱化学ヤトロン研究開発本部プロジェクト推進室
2株式会社三菱化学ヤトロン営業本部学術開発部
pp.828-829
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101521
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はじめに
エラスターゼは,結合組織の弾性線維エラスチンを分解するセリンプロテアーゼで,膵臓・白血球・血小板・脾臓などに存在します.
膵エラスターゼ(EC番号3.4.21.36)は,顆粒球エラスターゼ(EC番号3.4.21.11)とは酵素化学的および免疫化学的に異なる酵素で,さらにエラスターゼ1とエラスターゼ2に分類されます.膵炎や膵癌などの膵疾患において,エラスターゼ1は病態を反映して血中での量が変動するため臨床的意義が見出されています1).エラスターゼ1は血中ではα1 アンチトリプシン(α1AT)などのプロテアーゼインヒビターと結合しているため,アミラーゼのように酵素活性を測定することは不可能です2).
ラテックス免疫比濁法を測定原理とする汎用自動分析装置用のエラスターゼ1測定試薬イアトロIRE1は,血中に存在するα1 AT・エラスターゼ1複合体に対して特異性の高い2種類のモノクローナル抗体をラテックス粒子に感作した試薬です.この試薬により,10分で血中のα1 AT・エラスターゼ1複合体を測定することが可能です(図,表)3).
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