検査を築いた人びと
脊髄造影法の開拓者 ジャン・シカール
深瀬 泰旦
1
1東京慈恵会医科大学医史学
pp.1015
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203496
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脊髄造影法は造影剤を腰椎穿刺によって脊髄クモ膜下腔に注入し,X線撮影を行って,脊髄腔内外の病変を診断する方法である.後頭下穿刺により,比重の重い造影剤を注入して,その下降状態をみる下行性と,腰椎穿刺により,比重の軽い造影剤を注入してその上昇状態をみる上行性の,二種類がある.
造影剤としてはモリヨドールや,リピオドールなどが用いられ,これによって脊髄腫瘍,クモ膜癒着,閉塞の有無などを知ることができる.1921年,造影剤としてリピオドールを用いて,初めて脊髄造影を行ったのは,フランスのジャン・シカールである.
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