検査技師のためのME講座 エレクトロニクス入門・8
トランジスタの原理と基本動作
田頭 功
1
1東北工業大学電子工学科
pp.1045-1048
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203510
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野外で遠くに離れている人の話し声がよく聞き取れないのは,その話し手の音のエネルギーが四方八方に広がって,離れた所にはその音のごく一部分のエネルギーしか到達しないからです.しかし,このように減衰してしまった音波信号を,聴覚が識別できる大きさにまで拡大または増幅できれば,遠くの人の話し声も聞き取ることができるようになるでしょう.
歴史的にみると,微弱な信号を増幅してスピーカなどを駆動し耳で聞くことができるようになったのは,20世紀初めに三極真空管が発明されてからのことです.真空管の発明は,私たちの日常生活に欠かすことができない電気通信技術を発達させましたし,私たちの病気の診断に有用な心電図,脳波などの生体電気計測や,生命現象の解明のための基礎医学の分野での技術革新に,大いに貢献しています.
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