マスターしよう基本操作
ヘモグロビン濃度測定
山本 きよみ
1
,
米原 ヤス子
2
,
岡野 こずえ
1
,
宮地 隆興
3
1山口大学医療技術短期大学部
2山口大学病院検査部
3山口大学臨床検査医学講座
pp.1013-1019
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202903
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ヘモグロビン濃度測定は日常検査では欠くことができない項目の一つである.測定法は種々のヘモグロビン(酸素ヘモグロビン,シアンメトヘモグロビン(以下HiCN),アザイドヘモグロビンなど)をHb誘導体に転化して,光学的に測定する.このうちHiCNの測定は,優れた標準物質を常に供給でき,しかもこの標準物質は長時間安定で長時間保存できるのでもっとも優れた方法として国際標準法に用いられている.ただHiCN法はKCNを使用し,HiCN転化に時間を要することおよび呈色液が泡を生じやすいなどの欠点がある1).一方検査件数の増加のためにヘモグロビンの測定は,ほとんどの検査室で各種類の自動血球計数器が使用されている.したがってHiCN測定の用手法は,検査技術の技術習得に役立つこと,時には自動測定法より迅速に成績を出すことができ,また自動血球計数器のチェックにも用いられるので,今日ヘモグロビン測定の標準法としてマスターしておかなければならない.用手法によるHiCN測定法の操作法を順を追って写真で記載する.次に多項目自動血球計数器の使用に際しては,Hb測定値の正確さをチェックすることが必要であるため,松原の考案したHiCN法による多項目自動血球計数器の較正法をも併記する.
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