マスターしよう基本操作
血球計数
服部 理男
1
,
山下 順子
1
1埼玉県立がんセンター臨床検査部
pp.573-580
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201878
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血球計数(blood counting, Blutzählung)は,単位容積内の血球数・血色素量などを測定する検査で血液学的検査のうち最も基礎的なものである.最近は自動血球計数機の普及によって,一部の医療施設ではすてて顧みられなくなっているが,骨髄穿刺のときに有核細胞を数えたり,往診先で白血球数を数えたり,あるいは髄液細胞数の計測をするときなど,血球計数(血算とも言う)の基本的な手技が全く用いられなくなることはないと思われる.とかくルーチンの血算に用いられなくなった理由としては,①手技誤差が比較的大きい,②方法の内在誤差(inherent error)として,血算盤内に血球が分散する際の分布誤差あるいは計数する際の心理的な誤差があり,自動計数に比べて計測する血球数が少ないため誤差が大きい,③少数の検体を処理するのに適しているが,多数検体の処理には不向きである,などが挙げられる.しかし血算を用手法で行う手技が,検査技師の教育過程から省かれることは当分の間考えられないし,血液検査あるいは研究に携わる人々がマスターしなければならない基本手技という意味では永久にその生命を保つであろう.
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