測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
自動血球計数器
臼井 敏明
1
1鳥取大ステロイド研究所
pp.893-896
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201222
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ある現象を計量する時に,物を数える方法と連続的な量として測定する方法とがある.リンゴを1個,2個と数えるのと,全体の重量を秤るのとの差であるが,どちらの計量がよいかは得られた数の利用方法によるので議論できない.血球計数は前者に属し,血球の大きさとか形には関係ない.
物を数えるには,まず物が1個ずつ確認できるように散らばることが第一条件である.次に一つずつを確認する方法を考案する必要がある.リンゴは目で見たり,さわったりできるが,血球の確認には特別の方法が考えられている.また血球はある条件では非常にこわれやすいので,計数の途中でこわれないような注意が必要である.もう一つ,血球計数では人体の全血球を数えるのではなく,その一部を数えて全体の状態を推定するのであるから,計数のために採られた標本が体内の血球分布をよく表しているかどうかに注意する必要がある.
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