病気のはなし
ⅩⅢ因子欠乏症
浮田 實
1
1東京医科大学臨床病理
pp.702-705
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201686
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Duckertら1)は重篤な出血症状と創傷治癒の遅延を示す2人の兄弟について記載し,本疾患がフィブリン安定化因子(Fibrin stabilizing Factor,FSF)の先天性欠乏に基づくものであることを示した.その後Loewyら2)によって本因子の性質が明らかにされ,1963年に国際凝固因子命名委員会においてⅩⅢ因子として認められた.本邦では鈴木ら3)によって最初の症例が報告されている.Duckertら4)はⅩⅢ因子欠乏症患者の中に凝固活性は示されないが免疫活性を有する,いわゆる異常ⅩⅢ因子血症を報告している.
後天的にもⅩⅢ因子の減少する症例が報告されている.すなわちLorandら5)は血液疾患患者に,またNussbaumら6)は肝,腎疾患患者の中にⅩⅢ因子濃度の低下している症例を認めている.
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