最近の検査技術
第ⅩⅢ因子の測定
浮田 実
1
,
加藤 正俊
2
1東京医大臨床病理
2東京医大臨床病理教室
pp.209-214
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201309
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第ⅩⅢ因子は血漿中において非活性の状態で存在しているが,トロンビン及びカルシウムイオンによって活性型の酵素に転換する.この活性第ⅩⅢ因子は,Transamidase,またはtransglutaminaseの一種と考えられ,フィブリンにトロンビン及びカルシウムイオンが作用して生じた酸可溶性のフィブリンポリマーをcrosslinkさせて,酸不溶性の安定化したフィブリンポリマーとする(図1).従って第ⅩⅢ因子の測定法としては,フィブリン塊の酸に対する溶解性を利用するもの及びフィブリンのcrosslinkを観察する方法とがある.
近年,精製した凝固因子を抗原として家兎を免疫し,凝固因子の抗家兎血清を用いて免疫活性が測定されるようになった.これら両者を同時に測定することにより出血性疾患の病態の解明は容易となり,保因者の研究も一段と進歩した.第ⅩⅢ因子の場合にも免疫学的手技を応用した測定法が用いられている.以下,最近用いられている第ⅩⅢ因子測定法について述べてみたい.
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