技術講座 病理
組織標本の作り方・3—薄切—パラフィンブロックを中心に
油井 慎曄
1
1国立東京第二病院病理科
pp.601-603
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201428
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病理組織標本作製過程で組織を固定,脱水,脱脂,包埋し,パラフィンブロックを台木に接着させると,いよいよ薄切の準備に入る.標本を観察する場合に,光の透過性がよくしかも顕微鏡視野の中で細胞が重複しない程度の厚さ,通常パラフィン包埋の時4〜5μの切片を作るプロセスを薄切と呼ぶ.その際の装置として,ミクロトーム(薄切器),ミクロトーム刀(薄切刀)など,薄切伸展仕上げまでに数種の器具器材(伸展器,ウォーターバス,スライドグラス,有柄針,卵白グリセリンなど)が必要である.薄切全般の技術解説となると,ミクロトームの種類,その構造上の働き,各種ミクロトーム刀及び研磨(自動研磨)器,包埋剤による薄切の相違などと多方面の解説となるが,これらは成書にゆずり,今回は日常一般的に使用されている滑走型ミクロトーム(ユング型)を中心に薄切に伴う具体的な注意点を述べる.
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