研究
パラフィンブロック薄切法の検討—特にブロック冷却と呼気吹きかけの問題について
平山 章
1
,
赤塚 明
1
,
櫻田 実
1
,
亀川 節子
1
,
黒田 ゆり子
1
,
松村 亮子
1
,
小山内 努
1
,
小川 豊
2
1東京女子医大中検病理部
2日本獣医畜産大学解剖学教室
pp.63-66
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908841
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はじめに
パラフィンブロック薄切に際して,従来からパラフィン融点と室温との差が35〜45℃が最適と考えられている1,2).ところが最近では薄切の時,パラフィンブロック(以下PBと略す)を氷で冷却して薄切することが広く行われるようになってきている7).パラフィンを冷却することはその硬度を高め薄切を容易にすることが考えられるが,一方ではパラフィンの収縮を伴い薄切切片の厚さを増すことも考えられ,また,一方では冷却したPB薄切に際して呼気を吹きかけること3,4),はPBの温度を上昇させることとなり,これらの行為は矛盾したことのように思われる.そこで我々は以下述べるごとき実験を行いPBを薄切前に冷却することと,ブロックに呼気を吹きかけて薄切する行為が薄切切片にどのような影響を与えるか,また,パラフィン融点と室温の差が従来いわれている35〜45℃がはたして妥当であるかについて検討を行ってみた.
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