実習日誌
病院実習を体験して
角沢 静子
1,2
1東武医学技術専門学校
2キッコーマン総合病院
pp.307
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201337
- 有料閲覧
- 文献概要
不安におののきながら通い始めた病院実習も,あと残すところ2〜3日となってしまった.8月から5か月間実習に出たわけだが,最初いざ病院の検査室に入ると多種多様の検査機器があり,これら全部を理解し使用するにはどうしたらよいのか,考えただけで気が重くなってしまった.しかし,病院実習の本来の目的である医療における検査技師としての役割やあり方といったようなものが,おぼろ気ながらも把握できた現在,大きな成果であったと感ずる.
生理に始まり,一般,細菌,血液,血清,化学,そして病理と7つのパートをそれぞれ3週間ずつローテイションした.各パートの検査内容を知るということもさることながら,その場の雰囲気に慣れることにも非常に神経をすり減らされた.物覚えの悪さに緊張も手伝って,技師の方たちの熱心な説明にもかかわらず,同じことを繰り返し聞くという恥ずかしい思いをしたこともしばしばであった,内容的にも人間的関係においても,どうにか慣れ精神的に余裕を取りもどせたころにはそのパートでの実習期間は終わってしまい,何か物足りない気がした.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.