医療・保健・検査
臨床化学検査領域でのコンピューターの応用—特にデータ管理への応用について
菅野 剛史
1
1慶応病院中検
pp.215-218
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201310
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臨床化学分析の領域では単なるカリキュレーターをはじめとしてミニコンピューターまで,その検査室の規模,分析機の自動化の程度に応じて広くコンピューターが利用されている.
一般にこれらのコンピューターの利用には,2つの方向からのアプローチがあったと考えられる.その1つは,臨床化学分析における自動分析機の進歩とともにデータ処理機構として開発され,分析システムの確立とともに検査室を1つの分析システムと考え,分析依頼から始まって一貫した流れとして報告書の作成までを,自動分析機を中心として分析データの処理,事務処理を中心とした流れに対する利用法であり,もう一方は,柴田2)によって診断的な視点より考え出された血液スペクトルの延長である病態把握,診断に対しての組み合わせフロー,または多変量解析を用いた利用法であろう.そしてコンピューターと名が付けばそのいかような利用も可能かと言えば,それは異なるのであって,その規模,利用法などには幾つかの制約があるのである.逆に言えば,どのような目的で利用するかによってコンピューターの規模,構成が定まるのである.
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