技術講座 血液
血球鑑別にあたって
小沼 哲
1
1練馬医師会医療検査センター
pp.60-61
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200403
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血液塗抹標本による血球形態学的鑑別の第1は,じょうずに作られた塗抹標本に最良の染色操作を施すことであり,第2は正しい顕微鏡の使い方のもとで,鏡検に最も適する視野を選んで血球を鑑別することである.
標本中,鏡検に適する視野とは普通は塗抹標本の引き終わりに近い所で,赤血球どうしが重なり合うことなく均等に分散していて,すみやかに乾燥された部位である.しかし,標本塗抹時のテクニックの巧拙により小さな細胞が中央部に,大きな細胞が周辺部に集まるといった分布傾向を示すことがあるので,このような標本ではたとえ赤血球が均等に分散していても,白血球分布にかたよりがあるので,鏡検に適さない.
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