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血球鑑別のコツ(1)
大橋 辰哉
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1東大吉利内科
pp.678
発行日 1969年8月15日
Published Date 1969/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906493
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1.染色について
第1にたいせつなことは,よい塗抹標本を作ることである.わるい標本では,正確な血球鑑別はどのようにすぐれた血液学者といえども不可能である.よい標本の作り方は,すでに5月号に述べてあるので参照していただきたい.
染色液は表1のごとく,いずれも一長一短がある.最もよいのは,メイとギムザの二重染色である.しかし,これは時間がかかりすぎるので,普通はライトでじゅうぶんである.ライトで注意を要することは,どぎつく染まりすぎることである.一般に,核の網状構造が粗になり,単球や好中球の顆粒も粗大にみえる.したがって,白血病など異常細胞の出ている場合や,幼若細胞が多種類みられる骨髄標本では,ライト染色は好ましくない.メイ・ギムザ二重染色にすべきである.
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