1ページの知識 血液
血球鑑別のコツ(5)
大橋 辰哉
1
1東大吉利内科
pp.1262
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906635
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白血病細胞について
白血病細胞という表現がしばしば使われるが,具体的にどんなものをいうかというと,末梢血でいえば,急性白血病では幼若な白血球であり(成熟している白血球は正常細胞と考えられている),慢性白血病では幼若白血球も成熟白血球も含まれる.しかし一般に問題になるのは急性白血病時の幼若白血球である.どのような形態の白血球をみたら白血病の疑いを持つべきかということを今回では述べる.
慢性白血病の白血球細胞は正常の形態をしているので,それのみでは白血病かいなか判定はできない.白血球数が著しく多いこと(あまり多くない例もあるので,これのみでは診断根拠にならないが),慢性骨髄性白血病では染色体分析によるPhiladelphia染色体の存在や,白血球alkaline-phosphataseの著減などが認められれば診断できる.
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