技術講座 病理
神経組織(脳)の染色
鬼頭 花枝
1
1愛知県がんセンター研究所
pp.66-67
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200380
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神経組織は長い突起をもった神経細胞とこれを取り巻く神経膠組織からなるが,これらがある一定の層状構築をもって整然と配列するため,これの組織学的検索には,この神経組織特有の立体構造の把握に適したさまざまの染色法が考案されている.したがって神経組織の染色には他の一般臓器にはあまり用いられない数多くの熟練を要する特殊染色法が含まれるため,現在では神経病理という独自の病理形態学分野が形成されているほどである.専門的な形態学的検索には主として凍結切片あるいはツェロイジン切片が用いられるが,今回は一般の病理組織検査としても必要な神経細胞,髄鞘,神経原線維,神経膠線維の染色法をホルマリン固定,パラフィン切片を中心にその要点とコツを述べてみたい.
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