カラーグラフ
Grimelius法について—好銀性染色
鬼頭 花枝
1
1愛知県がんセンター研究所
pp.252-253
発行日 1974年3月15日
Published Date 1974/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908459
- 有料閲覧
- 文献概要
神経内分泌細胞およびこれに由来した腫瘍細胞が保有するいわゆる神経内分泌顆粒を同定するため諸種好銀染色法を吟味した結果,最近,Grimelius法(1968年)が最も鮮明に好銀顆粒を染め出すことが明らかになった.これは操作が簡便であるのみならず,間質成分(膠原および格子線維)の共染がないという利点を持っており,今後広く普及するものと考えられる.原法は膵ラ氏島のα細胞を同定するため考案され,硝酸銀の溶解に0.2M酢酸緩衝液(pH5.6)を使用しているが,むしろ蒸留水を溶媒として用いたほうがより鮮明な陽性顆粒所見が得られる.以下筆者の行っている染色法を述べ,具体例をH・E染色と比較しながら供覧してみたい.なお本染色は塗沫標本ならびに電顕用の超薄切標本にも適用可能である.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.