技術講座 生理
電気生理検査機器(心電計,脳波計)の故障
石山 陽事
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.68-69
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200381
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工学的教科を必ずしも十分に修得する機会のない検査技師が,どこまでME機器の修理点検などの保守ができるかはいろいろ議論の余地がある.しかしME機器を取り扱う以上,少なくとも十分に機器の構造と安全性を理解し,かつ使用環境に則した正しい使用法を身につけておくことが必要である.
技師にとってたいせつなことは,機器の故障をみつける前に故障を起こさないように心がけることである.たとえば塩分を含んだ手で機器にさわれば,長い間にはしだいに腐食して回路基板をショートさせたり思わぬ故障をまねくことがある.また電極の洗い方が悪いと記録に雑音が混入したり,リード線が塩分のために腐食して断線の原因にもなる.そのほか乱暴に機器を移動させると当然振動によって回路基板のソケットがゆるんだり,接触が悪くなったりする.これらは日常ちょっとした常識的な注意でその故障を起こさないですむわけである.
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