増刊号 超音波×病理 対比アトラス
2章 乳腺
7 腺筋上皮腫―50歳代女性
森谷 卓也
1
,
平川 久
2
,
中島 一毅
3
1川崎医科大学病理学2
2東北公済病院外科
3川崎医科大学総合外科学
pp.946-948
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104411
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症例の概要
50歳代,女性.4年前に乳房のしこりを摘出され,乳管内乳頭腫と診断されていたが,最近腫瘤の再発を認めた.再度摘出が行われて,同様の診断であったが腫瘍の残存が疑われて再検査のため紹介受診となった.マンモグラフィでは左乳房に境界が明瞭な高濃度腫瘤がみられ,癌が疑われた→図1.超音波検査では,比較的境界平滑な分葉形の腫瘤像で,内部エコーは低エコーの部分が主であるが,等~高~無エコーの部が混在し,後方エコーは不変もしくはやや増強していた.前方境界線の断裂も疑われ,悪性を否定しえない像であった→図2,3.穿刺吸引細胞診では,一部に上皮のほつれがあり良悪性鑑別困難と判定され→図4,診断確定目的で摘出生検が施行された.病変は充実性の多結節性腫瘤→図5,6で,組織学的には腺上皮と筋上皮の2種類の細胞増生からなり,最終的に再発性の腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma)→図7と診断された.
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