増刊号 超音波×病理 対比アトラス
2章 乳腺
13 乳腺葉状腫瘍―50歳代女性
森谷 卓也
1
,
中島 一毅
2
1川崎医科大学病理学2
2川崎医科大学総合外科学
pp.963-965
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104417
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症例の概要
50歳代,女性.右乳房にしこりを自覚した.超音波検査Bモードでは,境界明瞭で一部分葉状の腫瘤像があり,内部にスリット状の構造と後方エコーの増強を認めた→図1.エラストグラフィでは中心部に向かってやや硬くなっており→図2,葉状腫瘍が疑われた.カラードプラでは内部に豊富な血流を認めた→図3.穿刺吸引細胞診→図4でも結合組織性および上皮性混合腫瘍を疑う像であった.腫瘍の増大傾向があり,摘出手術が施行された.摘出腫瘍は長径5cmで,充実部のなかにスリット状~囊胞状の空隙を認めていた→図5.組織学的には,乳管成分と線維成分が混在して増殖する腫瘍で,葉状構造も散見された→図6.乳管上皮に異型はないが,間質の増生傾向が強く,間質細胞の増多,核分裂像(最大5/10HPF)の存在から境界悪性葉状腫瘍と診断された→図7.
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