Laboratory Practice 〈微生物〉
PK-PDブレイクポイント―有効な抗菌薬投与法を選択するための指標
猪川 和朗
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科臨床薬物治療学
pp.256-260
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104209
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抗菌薬のPK-PDとブレイクポイント
抗菌薬の薬物動態(pharmacokinetics,PK)とは,投与法と薬物濃度との関係性を示し,代表的なPKパラメータ例は最高薬物濃度(maximum drug concentration,Cmax)である.一方,抗菌薬の薬力学(pharmacodynamics,PD)とは,薬物濃度と抗菌作用との関係性を示し,代表的なPDパラメータ例は最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration,MIC)である.
PKとPDの両者を組み合わせた,すなわち抗菌薬投与法と抗菌作用との関係性を示すPK-PDパラメータには,①抗菌薬CmaxのMICに対する比(Cmax/MIC),②抗菌薬濃度がMICを超えている時間の割合(time above MIC:T>MIC),③抗菌薬濃度-時間曲線下面積(area under the curve,AUC)のMICに対する比(AUC/MIC)の,3つがある.
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