Japanese
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今月の主題 薬剤耐性菌制御の最前線
話題
PK-PDを考慮した抗菌薬療法
Antimicrobial use based on PK-PD
戸塚 恭一
1
Kyoichi TOTSUKA
1
1東京女子医科大学感染対策部感染症科
キーワード:
PK-PD
,
TDM
,
MPC
,
MSW
Keyword:
PK-PD
,
TDM
,
MPC
,
MSW
pp.539-542
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102298
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1.はじめに
これまでに多くの抗菌薬が開発されて感染症の治療に貢献してきたが,一方で抗菌薬に対する新たな耐性菌も出現していることは事実である.これらの問題に対処するためには新薬の開発推進も依然として重要な課題であるが,現実的には容易なことではない.したがって,現状では感染対策などで耐性菌の拡がりを抑制するとともに,既存の抗菌薬をいかに適正に使用し,長持ちさせていくかが求められている.
抗菌薬の適正使用には多くの事柄が含まれているが,最も重要なことは抗菌薬をいかに上手に使うかである.抗菌薬にはそれぞれの抗菌薬に特有の抗菌作用と薬物動態が存在する.これらの特徴を最大限に活かした薬物療法を行うことが重要になっている.このような考え方に基づいた学問分野が抗菌薬の薬力学-薬物動態(pharmacodynamics-pharmacokinetics;PK-PD)である.耐性菌の抑制には抗菌薬の有効性を高めることが最も重要であり,当初は抗菌薬の効果的な使い方についての検討が主に行われてきたが,最近,抗菌薬の使い方と耐性菌の関係についての検討も行われるようになってきた.
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