臨床検査のピットフォール
偽性高カリウム血症におけるピットフォール
池本 敏行
1
1大阪医科大学附属病院中央検査部
pp.253-255
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104208
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はじめに
高カリウム(kalium,K)血症が高度な場合には,生命に危険が及ぶほどの重篤な不整脈を起こすため,早期に適切な治療が必要である.偽性高カリウム血症を鑑別にするには心電図測定や血漿カリウム測定などが必要となるため,偽性高カリウム血症を引き起こす要因の把握が重要である.その要因として,溶血,採血時のクレンチング,抗凝固剤〔EDTA-2K(ethylenediaminetetraacetic acid-dipotassium salt dihydrate)など〕の混入,全血での長時間の放置,血小板増多などがある.
溶血は肉眼的にも判断が可能であり,EDTAの混入は他の酵素活性も阻害されることから,比較的容易に判断できる.本稿では,その他の要因と対策について記述する.
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