Laboratory Practice 〈病理〉
liquid-based cytologyの非婦人科検体への応用(尿・体腔液)
平 紀代美
1
,
中島 真奈美
1
,
山城 勝重
2
1北海道がんセンター臨床検査科
2北海道がんセンター臨床研究部
pp.121-126
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103447
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はじめに
liquid-based cytology(LBC)は,採取した細胞を一度液体(固定・保存液)中に浮遊させてからスライドガラスに塗抹する方法を総称している.効率よく細胞を収集できる優れた方法であり,米国を中心に婦人科検体をはじめ多くの検体に利用されてきている1).非婦人科検体では,尿や体腔液などの液状検体2~4),穿刺吸引針や擦過ブラシの洗浄液細胞診5~9)などが代表的なものである.本稿では,液状検体(尿・体腔液)へのLBCの応用を解説していきたい.
LBCには米国FDA(food and drug administration)の承認を得て広く使用されているものから,わが国で開発された方法などいくつかの方法が知られており,それぞれの特徴がみられる.それらのなかで,非婦人科検体を対象としたBecton, Dickinson and Company(BD社)のサイトリッチTM保存液を使用したthin-layer法による尿と体腔液検体のLBC標本作製法の要点と,それぞれにおけるLBCの有用性,そして細胞所見の特徴について述べていく.またサイトリッチTM保存液にはレッドとブルーの2種類の固定・保存液が用意されているが,それらの違いとその使い方についても言及したい.
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