今月の表紙
サイログロブリン遺伝子異常症
廣川 満良
1
,
樋口 観世子
2
,
太田 寿
2
1隈病院病理診断科
2隈病院臨床検査科
pp.1010
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103340
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【症例の概要】
30歳代,女性.生下時から甲状腺腫大が認められ,dyshormonogenetic goiterが疑われて経過観察されていた.甲状腺機能検査では,FT40.53ng/dl(0.7~1.6ng/dl),FT32.71pg/ml(1.7~3.7pg/ml),TSH4.059μIU/ml(0.3~5.0μIU/ml),サイログロブリン(thyroglobulin,Tg)4.8ng/ml(0~35ng/ml),TPOAb≦0.3U/ml(0~27.9U/ml)であった.放射性ヨード摂取率は2時間値で50.8%,パークロレート放出試験は放出率1.7%と陰性であった.超音波検査では,甲状腺は著明に腫大し,多発性の結節性病変がみられた.甲状腺実質はやや不均一で,ドプラ像では,血流シグナルが著明に増加していた.結節部および非結節部の穿刺吸引細胞診が行われ,いずれも良性と判断された.遺伝子検査にてホモのミスセンス変異(Cys1264Arg)が認められた.
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